「子どもに体験を届ける社会の実現を」子どもの体験コンソーシアム・シンポジウム2025開催のご報告
11月17日に、子どもの体験コンソーシアムの設立を記念した「子どもの体験コンソーシアム・シンポジウム2025」を開催しました。子ども支援に取り組むNPO法人の代表や研究者、財団関係者や国会議員の皆さま等をお招きして、子どもの体験における現状や課題、今後の取り組みについて意見交換を行いました。
【シンポジウム概要】
日時:2025年11月17日(月)
会場:フォレストテラス【欅の間】
〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町1-1
参加者:138名
プログラム:
| オープニング | 公益財団法人ミダス財団 代表理事 吉村英毅 株式会社Ridilover 代表取締役/一般社団法人リディラバ 代表理事 安部敏樹 |
|---|---|
| パネルディスカッション① 体験格差議論の「いま」と「これから」 |
登壇者:國學院大學人間開発学部子ども支援学科 教授 青木康太朗様 認定NPO法人Learning for All 代表理事 李炯植様 認定NPO法人キッズドア 理事長 渡辺由美子様 モデレーター:株式会社Ridilover代表取締役/一般社団法人リディラバ 代表理事 安部敏樹様 |
| パネルディスカッション② 子ども支援の現場から見た、体験保障の実現に向けて取り組む課題 |
登壇者:認定NPO法人カタリバ 代表理事 今村久美様 NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい 代表理事 金城隆一様 認定NPO法人育て上げネット 理事長 工藤啓様 東京大学大学院教育学研究科 准教授 滝沢龍様 モデレーター:NPO法人アスイク 代表理事 大橋雄介様 |
| パネルディスカッション③ 「子どもの体験コンソーシアム」が拓く体験保障の未来 |
登壇者:衆議院議員 荒井優様 衆議院議員 西野太亮様 株式会社Ridilover 代表取締役/一般社団法人リディラバ代表理事 安部敏樹様 公益財団法人ミダス財団 Chief Impact Officer 山添真喜子 モデレーター:初代こども家庭庁大臣 小倉將信様 |
| クロージング | 公益財団法人ミダス財団 事業統括 玉川絵里 |
| 交流会 | テーマ別交流会
国会議員5名によるトークセッション ・内閣官房副長官 参議院議員 佐藤啓様 ・衆議院議員 西田英範様 ・衆議院議員 根本拓様 ・環境大臣政務官兼内閣府大臣政務官 参議院議員 友納理緒様 ・文部科学大臣政務官 衆議院議員 福田かおる様(ビデオメッセージ) 自由歓談 |
シンポジウムの内容
日常的な遊びや旅行先での新たな出会いや挑戦などを含む、あらゆる体験は、子ども時代の日常を彩り、成長する土台となるものです。これらの体験は、豊かな人間性や自ら学び、自ら考える力といった生きる力の基盤としての役割が期待されます。体験には、旅行やキャンプ、美術館やコンサートへの参加といった文化芸術体験など「非日常体験」と、家庭内でのお手伝いや友達との遊び、習いごとなど「日常体験」などさまざまな体験が含まれます。
しかし、人口減少などで地域コミュニティーが衰退する中、手軽な体験機会は減りつつあります。さらに体験の豊かさが、家庭や地域といった子ども自身が選べない環境要因によって影響を受ける現状があります。こうした状況から、子どもの中で体験における格差が生じていると言われ、解決すべき社会課題として認識されるようになりました。
シンポジウムの冒頭では、ミダス財団の吉村英毅代表が「さまざまな体験は子どもの成長の土台であり、近年は非認知能力を測るものとして重要性が高まっています。子どもの将来にとって何が重要かを本質に据え、多様な体験が保障される社会を目指します」と挨拶しました。

その後、株式会社Ridilover 代表取締役/一般社団法人リディラバ 代表理事の安部敏樹様より、昨今、体験の価値が高まる一方で機会が減少している現状と課題を提起しました。
その上で、日常・非日常を問わず多様な体験の在り方すべてを尊重するという前提に立ち、全ての子どもたちへの「体験保障」の実現に向けて議論を深めていく方針を示しました。
その後、本コンソーシアムに参加するNPO法人7団体の代表や研究者らの専門家や子どもの体験に関する課題に関心のある国会議員が意見を交わしました。

困窮家庭の子どもへの支援に取り組む、認定NPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子氏は、「約4500世帯を支援していますが、コロナ禍後、夏休みの予定が全くないという家庭が半数です。予定がある残り半数の家庭も地域のバザーやお祭りが唯一ある、というのが現状です」と説明。こうした状況を踏まえ、キッズドアでは、交通費の支給や食事の提供などの工夫を行ったうえで、子どもたちが参加しやすい体験イベントを企画しています。
子どもの体験機会に関する具体事例も紹介されました。子どもの居場所を提供する、NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい代表理事の金城隆一氏は、「一緒に食事をするといった仲間と集う日常的な体験に加え、飛行機に乗って遠い場所で職場体験するなど、新たな人と出会う非日常の体験の提供も行っています」と語ります。
子どもの貧困対策を進める認定NPO法人 Learning for All代表理事の李炯植氏は、「体験を買う社会ではなく、体験がある社会にしていかなければならないと考えます。公共性をもって体験を子どもたちに届けられる社会の実現にコミットしたい」と話し、子どもの体験に関する社会課題解決のため官民協働で取り組む必要があると提言しました。
シンポジウムの後半では、子どもが体験を通して得られる効果について話し合いました。子どもたちはさまざまな体験を通し、生きる力やソーシャルスキルが育つほか、逆境や困難に直面しても乗り越える「レジリエンス」が身につくことも期待されます。
今後の取り組み
本コンソーシアムでは、来年以降も年に一度のシンポジウムを開催し、定期的に課題解決に向けた議論の場を設けていく予定です。
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子どもの体験コンソーシアム事務局 ミダス財団 概要
ミダス財団は、世界中の人々が人生の選択を自ら決定できる社会を目指し社会貢献事業を行う公益財団法人です。株式会社ミダスキャピタル・ミダス企業群等からの寄付金を財源として本質的かつサステイナブルな社会貢献事業を行い、世界中の根本課題を解決していきます。
名称:公益財団法人ミダス財団
代表:吉村英毅
設立年:2019年
Webサイト:https://midas-foundation.org/
子どもの体験コンソーシアムに関する問い合わせ先:info@taiken-consortium.com